オランダに来て一番驚いたことといえば、天井の高さです。今借りている物件の天井までの高さは3mあります。
今の物件は天井ライトがついていないので、自分でライトを購入して取り付ける必要がありました。いざライトを購入して取り付けようと思っても、全く天井に届かない。机に載っても、椅子に載っても、机といすを組み合わせても天井に届かない。3mとはトテツモナイのです。
オランダでは一家に一台、はしごを所持しているのが普通でして、みなさん結構な段数のはしごを持ってます。そして結構なお値段(€100前後)します。
ライトの取り付けのためだけにはしごを買うのもね、ということでサービスマンという名の便利屋に頼んでライトを取り付けてもらいました。
はしごなんて最初に使ったらそれ以降使わないやん、高すぎるやんと思った移住当初からようやく一年たちました。そろそろ部屋の模様替えをしようかという話が家族からもでます。ライトの付け替えや、壁への棚の取り付け、高所の掃除など、はしごはあった方が便利と私自身も思うようになりました。
そうです、ついに、オランダではしごを買いました。
オランダ最強のはしごブランドAltrex
サービスマンのオッチャンが、はしご買うならコレだよコレと自慢されたのが、AltrexのDouble Deckerです。
Altrexという名の通り、素材はアルミ製でとても軽く、重さは7.3Kgしかありません。もち運びは苦になりません。
そして高所で作業しやすいように要所に工夫されています。
一度使うと、もう安物のはしごには戻れない、はしごの上で生活できるのでは?という安定感です。
ホームセンターGAMMAで安くなっているタイミングで購入
サービスマンのオッチャンが使っていた6段のAltrexのDouble DeckerをGAMMAで購入。
メーカー希望小売価格が€ 119,00で、GAMMAの通常価格€105。
今回は€79(€26 off)でした。
結構安いので、ラッキーと思ったのですが、なんと送料が€29かかります。日本だったらいくら以上なら送料無料となるのですが、オランダではそういうルールはありません。
配送を頼むと安くなっている分以上に送料がかかるのでメリットがありません。配送はあきらめ、トラムでGAMMAまで行って持ち帰りました。はしごは軽いので持ち運びに不安は無かったのですが、はしごの背が高いのでトラムに入るか、トラムの混雑具合だけが心配でした。
結果的に、トラムもすいていて、トラムの天井にはぎりぎり届かない感じではしごを持ち帰ることができましたが、混雑しているトラムの場合はおそらく無理だったろうと思います。
ホームセンターの送料
GAMMA以外のホームセンターの配送料を調べると以下のような結果でした。はしごを買って無料で配達してくれるお店はありません。
- GAMMA:€29
- Praxis : €39,95
- HornBach:€12,50
一番送料が安いのがHornBachです。HornBachは店舗が殆どないので、殆どのケースはインターネットショッピングになると思います。
GAMMAやPraxisは本体値段と関係なくこの値段なので、配送を頼むのは現実的じゃないかと思います。GAMMAは店舗が多いので、トラム駅の近くに店舗があるなら直接行って持ち帰ることで送料よりも安く済む場合の方が多いでしょう。Praxisも同様です。
オランダ生活ではしごが便利な理由
オランダの物件は天井が高いので床面積から感じるイメージよりも物件は広く感じます。オランダ人は天井の高さぐらいまである本棚や壁面収納家具を使って、天井の高さを有効に使います。
オランダの家具は日本人の背の高さだとどうやっても届かない感じの高さの家具が多いです。
天井ランプの取り付け
天井ランプは物件に最初からついていれば、はしごは必要ないのですが、天井ランプが無かった瞬間、はしごが無いと取り付けられないので途方にくれます。
天井ランプの取り付けは物件を借りたときだけ!のように思いますが、生活に慣れてくるとランプを交換したり、部屋のランプを入れ替えたり、ランプにはホコリが付きますから掃除をしたくなる場面が出てきます。そういう場面ではしごは必要になります。
高所の掃除
オランダの物件は天井が高いので、簡単にアクセスできない所にホコリが溜まります。例えば換気扇の換気口が天井の近くにあったり、ガラス窓の上部など、結構ホコリで汚れますが普通に届きません。
椅子や机を組み合わせて台を作ればよいのではないか?
やってみるとわかりますが、無理に机や椅子を組み合わせて台を作っても不安定ですし、危険です。誰かに台を抑えてもらっても、そもそも自分を支えてくれる人がいないとまともに作業できません。大人二人の家庭では、自分を支えてくれる人がいません。
道具を使えばどうか?
柄が伸びる日本のはたきのようなものがあります。実際買ってみましたが、全然ホコリが取れません。ホコリに油が混じっていると雑巾で水拭きしないとダメで、結局はしごが必要です。
本棚や高い壁面収納の出し入れ
天井の高さを生かす収納をすると部屋を広く使えます。家具の背は高いものを選びたいわけです。はしごがあるのであれば、背の高い家具を選ぶことができますが、はしごが無いと小さい家具を選ぶしかなくなります。
はしごが無いと日本と同じような生活環境を作ることになります。
はしごを買うと家具の選択基準が変わり、より物件を有効に使えるオランダらしい家具を選ぶことができます。
はしごを買わずに済ますならば?
その場合の選択肢は、次の2つでしょう。
- サービスマンに頼む
- 近所からはしごを借りる
サービスマンに頼む
サービスマンには天井ランプの取り付けしか頼めません。サービスマンは時給が高い(€20/hourぐらい+駐車場代)ので、どうでもいいことを頼むと高くつきます。何度も呼んでいるうちにはしごを買えるぐらい費用が掛かってしまいます。
近所からはしごを借りる
近所からはしごを借りるというのも現実的には難しいと思います。というのも、オランダではご近所さんというのはないのです。上の階や下の階に住んでいる人とはアパートの入り口が共通なのでご近所さんといえるのですが、隣は別の入り口なので会うこともありません。実質ご近所さんというのは同じ住所の人だけということです。
はしごを借りれたとしても、1回や2回まではいいと思いますが、はしごを持っているのが普通なので、回数が増えてくるとなんでお前は買わないんだという雰囲気になると思いますよ。
結局、はしごを買って良かったよ
はしごは高価だし、使用頻度も低い、だから買いたくない、という思考でした。一方で、はしごがあればアレができる、コレができるのにと思っても、結局はしごが高い、邪魔、無駄と諦めていたこともあるわけです。
これは、オランダの自転車も高いからと言って購入を見合わせているのと同じ状況だなと思います。自転車は買ってみると便利だし、行動範囲も変わり、生活に変化が現れますが、買ってみないとそれはわかりません。
はしごも同じだと思います。
はしごがあると、人に頼らず、依存せずに生活できるようになります。これはオランダではとても大きいことだと思います。
日本だったらできたことも、オランダだと諦めてしまう、そんな後ろ向きな思考のクセをぶち壊す、そんな切っ掛けを与えてくれたはしご購入でした。
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