最近、ココナラというサービスをよく見かけます。ココナラとはメルカリのように個人と個人で自身のスキルを売り買いすることができるサービスです。
副業解禁に合わせて日本では、自分のスキルを売るようなサービスはココナラ以外でも盛り上がってきているようです。
ココナラの最大の特徴はメルカリと同じで今流行りの『C to C』だということだと思います。
海外在住者で『C to C』の身近な例としてはトラベロコがあります。
ココナラは海外からでも日本の仕事をリモートで受注できるので、オランダ在住の日本人も登録して参加している人がいるかもしれません。
ココナラの出品者の登録は本人確認もいらず、住所確認も必要ありません。(本人確認することも可能)
ココナラは売り手 > 買い手のレッドオーシャン
ココナラを見ていて感じるのは、売り手の供給過多です。
売り手よりも買い手の方が少ないので、買い手が有利となり、価格決定権が買い手側にあるので、結果的に価格競争に巻き込まれます。
ココナラにユーザー登録して、新規に販売サービスを登録したとします。同じようなサービスが他にあるなら価格競争になりますし、多くの場合すでに最低価格で出品している人がいたります。
最低価格で出品している人がいるのはそれでも売れないからです。もしくは誰でも参入できる参入障壁が下がったコモディティ化したエリアなのだとおもいます。最低価格で出品している人が多ければ、もはや高単価で頼もうかと考える利用者はいなくなりますから、買い手が圧倒的に有利になります。
少し考えてみるとわかりますが、ココナラはCtoCなので売り手側のスキルは専門的なスキルじゃない普通のスキルを売り買いする場なので、誰でも売れるようなスキルばかりが商品として揃うことになります。買い手側もそもそも低価格で買い叩こうとしている人ばかりが集まるような悪い客層が多いです。
メルカリでもそうですが、販売者の多くは価格競争に巻き込まれるレッドオーシャンの状況になります。逆にココナラ運営側はブルーオーシャンとも言えます。
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説いている。そのためには、自分の業界における一般的な機能のうち、何かを「減らす」「取り除く」、その上で特定の機能を「増やす」、あるいは新たに「付け加える」ことにより、それまでなかった企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が必要だと主張している。そのための具体的な分析ツールとして、「戦略キャンバス」などを提示している。
ランキングなどを見ると10万円とか高単価のサービスを出品している人もいます。多くの場合、そのサービスの販売実績を見てもほぼ売れていません。
ココナラはリクエスト機能の導入でさらに価格競争激化
売り手の方が多いわけですから、販売側は開店休業状態になります。
そこで仕事を求めてリクエストボードに仕事を探しに行くわけです。
リクエストボードは「依頼したい人」と「依頼に応えてくれる人」をつなぐ場です。
「依頼(リクエスト)」を投稿すると、依頼に応えてくれる人が提案してくれます。
そこで起きていることは、リクエスト側はある程度の提案が来ると依頼する相手を決めてしまいますので、その前に提案を即座に行うこと、また、その中でも提案者との入札競争が起きます。
販売実績がない販売者は実績作りのために、最低価格で提案することがほとんどです。そうなればまともな価格で取引などできるわけがありません。
ココナラは分野によって最低価格が決まっています。最近価格の見直しが入ったようですが、500円か1000円ぐらいが最低価格です。
リクエスト機能はよくできた仕組みだと思います。
リクエスト機能により、買う側はお店に足を運ぶ必要が無くなり、リクエストすれば売る側が勝手に提案してくれるのですから、こんなに楽な仕組みはありません。買う側からするとリクエストボードを使う方が便利なので、通常の売買は発生しなくなるような気がします。
ココナラの運営側に支払う手数料は25%+税
ココナラのサービスは販売実績に対して利用料が発生します。売れなければ無料で使用できます。
サービスが売れた場合に運営側に支払う手数料は25%です。つまり、ココナラに登録している全販売者の総売り上げの25%がココナラ運営側の利益となる仕組みです。
サービスを出品するのに初期費用、月会費等はかかりません。
取引成立時に販売価格から手数料25%+税が差し引かれます。
手数料はシステム利用料+決済手数料(クレジットカード等の決済システム利用料)で構成されます。
ココナラが25%取ってしまうのはそう言うものなので仕方ないと思いますが、ポイントはココナラが儲けるには、ココナラ上で売買が成立しなければならないということです。
トラベロコは利用者から10%、サービス提供者から20%の手数料が運営側に入ります。手数料が高いのでトラベロコを通さずに、現地で直接現金授受をしているケースも多いのではないかと推察します。
『CtoC』とはいえ、利用者は仕組みやシステムを提供して新規顧客の獲得や安価で高品質なサービスを受けるとことができるのですから、ある程度の利用料の支払いは仕方ありません。しかし、システム利用者側からすれば継続して仕事を頼むようなケースではココナラに支払う手数料はお互いに無駄に見えてきます。ココナラを利用しなければ、ココナラに支払う手数料分値引きもできるわけですからサービス提供側と購入側のどちらにもメリットがあります。
ココナラで新規のクライアントを見つけて、十分に信頼関係が構築できたのであれば、ココナラ以外で取引を継続するというのが賢い使い方のような気がします。
十分に信頼関係が構築できなくても、取引できるのがココナラのメリットなのですが。
ココナラは薄利多売のブラック企業
ココナラ運営サイドから見るとココナラ内で販売者たるユーザーを増やすことは結果的に価格競争を起こし、さらにココナラ内の購入者たるユーザーがそこそこの品質の低価格な商品を購入できるようにすることで、薄利多売戦略を取っているように見えます。ココナラそのものがダイソーや100均のイメージに近い。
ココナラで稼ぐには?
ココナラで稼ぐことはできるのでしょうか?
私の感触だと、ココナラは単価の安い仕事しありません。また、登録したての頃は実績も信頼も無いので自分から単価を下げるしかない状況もあり、そこには絶望しかありません。
一見、高単価に見える仕事があったとしても実際に話を聞くとそれ以上の仕事を要求されることが多く、買い叩かれる、足元を見られて、やっぱりか!となることが多いです。
①ココナラではマーケットを意識する
今、どんな需要があるのかリクエストボードを見ていると見えてきます。よく見かける案件はそこに需要があるということです。
魚のいないところで釣りをしても釣れないという例えはよく言われている通りです。
その中で自分の得意分野で定型でこなせる仕事があるか探します。
②ココナラでは仕事を早くやって時給を上げる
単価が安くても、仕事が沢山あるのであれば、仕事を早く終わらせて回転を上げればよいわけです。
定型の仕事であれば、お客さんとのやり取りを最低限に抑えるようにして仕事を早く終わらせることができるようになります。
ココナラで消耗しない最大の秘訣は、依頼者とのやり取りを如何に減らすかにかかっています。
③ココナラでは継続する顧客を獲得して単価を上げる
ココナラの正しい使い方は、新規顧客獲得の場として利用することだと思います。
最初は単価の安い仕事でも実際に仕事をして信頼を得られれば、次に仕事を頼んでもらうこともできますし、単価の引き上げもできます。というのも、仕事を依頼する側も毎回違う人に頼むのはリスクもありますし、同じ人と仕事をした方が楽だからです。まともな依頼者であればあるほど、信頼を得られれば仕事は継続します。
これは普通の仕事のやり方そのものですが、そういう人を日本全国から探すことができるのがココナラの強みだと思います。
まとめ
ココナラは、『自分の得意を売り、買いする』というのがコンセプトですが、薄利多売のブラック企業なのでそこに登録しても基本的にツラいだけです。
その一方で、ココナラを見ていると世の中の縮図が見て取れてとても勉強になるとも感じました。
ある分野でお金儲けできている人(得意)が自分が不得意な分野をココナラにリクエストしに来るケースを結構見かけます。でもその人はその得意を売っているわけではありませんが、垣間見えることがあります。当たり前ですが、本当に有用なものは売っていません。その流れをずっと見てるとその奥にある何かが見えてきます。
まずは、ココナラに登録して出品してみることをおススメします。ココナラの出品者の登録は本人確認もいらず、住所確認も必要ありません。(本人確認することも可能)