WordPress5.x以降でGutenberg(ブロックエディタ)がエディタとして採用されました。WordpressテーマはGutenbergへの対応が必須と言える状況になっています。
WordPressテーマのGutenbergへの対応というのは、簡単に言うとテーマ独自の装飾部分のブロックエディタへの対応のことです。
詳細は以下の記事をご参照ください。
この記事では、2020年1月現在の国内のWordpress有名テーマのGutenbergへの対応状況をまとめておきたいと思います。
なぜテーマごとにブロックエディタの対応が違うのか?
ブロックエディタは、javascriptの塊なので、今までのテーマ開発で必要なかった技術も必要になり、学習コストも開発コストもかさみます。
開発コストがかさみますので、無料テーマでブロックエディタ対応しているケースは珍しいとも言えます。有料テーマでさえも学習コストの影響でしょうか、Gutenbergへの対応状況はテーマごとにまちまちです。
WordPress5リリース時点からブロックエディタ対応を開始しているテーマはブロックエディタ対応を一通り終えているフェーズに入っています。
一方で、まったくと言っていいほどブロックエディタ対応していないテーマもあります。ブロックエディタが進化途中でまだ仕様が固まっていないから様子見というテーマもありますが、ブロックエディタ対応の学習コストは高いというのが本音だと思います。
WordPressテーマのGutenbergブロックエディタ対応状況
利用者が多いWordpressの国産有料テーマはそれほど多くありません。
個人的な体感では、利用者が多いのは以下の有料テーマかなと思います。
- STORK
- Affinger5/Wing
- SANGO
- The Thor
- Diver
- JIN
- TCDテーマ
- Emanon Pro
- Snow Monkey
STORK
STORKは昔からあるテーマで、 記事の装飾をAddQuicktagで行う流れを作ったテーマであり、デザインの良さから結構人気がありました(過去形)。
最近では後発のテーマに圧されて値段の安さぐらいしか目立つポイントがなくなり、ブロックエディタへの対応も行われていなかったこともあり、あーもう終わりかな?と思っていました。
正直遅きに失した感はありますが、水面下でブロックエディタ向けの開発は行われていたようで、最近STORK19という名前で大幅バージョンアップし、ブロックエディタに対応しました。
まだ死んでいませんでした。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
特に目立ったカスタムブロックもなく、後発なのにありふれた感じです。
SANGO
SANGOはブログサイトでよく見かけるテーマです。テーマリリースから一気に広まったイメージです。
SANGOを使用しているサイトは、どのサイトも見た目がほとんど同じなので使っているサイトはすぐにわかります。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
はたから見ていると、SANGOは結構ブロックエディタの対応が進んでいるように感じていましたが、改めて対応状況をみますと、特に目新しいブロックもなく、ブロック数もそれほど多くないです。
実はSANGOはブロックエディタ対応が遅れ気味ですね
The Thor
LIONテーマでおなじみのFITの有料テーマ The Thorです。
後発のメリットを生かして、登場した時には完成度の高さに衝撃を覚えました。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
ブロックエディタへの対応は皆無です。
独自スタイルを使いたい既存ユーザーは、クラシックエディタを使うしかない状態が結構長く続いています。
将来的にはブロックエディタへ対応するのは確実だと思いますが、会社の性格として、焦ってちょこちょこ対応するよりも一気に対応してくるような気がします。
Diver
Diverはリリースされた瞬間からごり押しするサイトが一気に増えました。アフィリエイトの影響だと思いますが、違和感を覚えたのを覚えています。
個人的にはインストールしただけですぐに使えるので使いやすいテーマだと思います。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
Diverは、SnowMonkeyと同じぐらいブロックエディタに力入ってますね。技術力の高さを感じます。
JIN
SANGO人気で他のサイトと似たり寄ったりになったことSANGOユーザー達が乗り換え先のテーマとして選んだのがJINです。SANGO人気の反動で一気に広まったテーマですね。
SANGOがブログ専用ぽいテーマでどのサイトも同じように見えるのに対してUI/UXが今どきなのが受けたように思います。
テーマとしてはあまり完成度が高くないような気がしますが、女性にとても人気があります。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
ブロックエディタの対応は遅れ気味ですが、売れ行きが良いので外注を使ってでもキャッチアップせざる負えないでしょう。
Affinger5/Wing
機能が増えすぎて訳が分からなくなっているAffinger5/Wingです。
一部の熱狂的なアフィリエイターに支持されているテーマですが、アドオンを購入しないと他のテーマと同じ機能が使えない等、トータルではテーマ料金が高いので、今現在ではあえて選ぶ理由もないのかな?と思います。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
ブロックエディタへの対応は最近始まったばかり、購入者以外にはどのようなカスタムブロックがあるのかもわかりません。
将来的にはキャッチアップしてくると思いますが、現時点では未知数ですね。
TCDテーマ
TCDテーマオリジナルのクイックタグ機能が売りですが、 クイックタグ機能はブロックエディタに全く対応していません。
また、TCDテーマは独自のページビルダーを導入しています。それが他のテーマと比べて優れているところでしたが、独自進化をしてしまったため、ガラパゴス化してしまいました。
なおGutenberg(グーテンベルグ)の仕様上、TCDオリジナルのクイックタグ機能は、ブロックエディターではご利用いただけなくなります。ご活用いただく場合は、Classic Editorを適用いただくか、ページビルダー内にてご利用くださいませ。
https://design-plus1.com/tcd-w/2019/06/gutenberg-beginner.html
正直、すでにリリースされているTCDテーマがブロックエディタへ対応する可能性はとても低いと思います。
Emanon Pro
Emanonシリーズは、個人的にはとても完成度が高いと感じているテーマです。
売れるために必要な要素が一通りそろっており、決められたとおりに配置していけばサイトとしての要件を自然に満たすことができます。
意外と実力が知られていない優良テーマです。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
一通りのブロックはそろっていますが、有料プラグインなのが難点です。
Snow Monkey
Snow Monkeyは玄人向けのテーマとして人気があります。ブログサイトというより通常サイトをの構築を意識したテーマとなっています。
継続課金タイプのテーマでサポートを受ける場合は契約が必要ですが、契約を解除してもアップデートは無料です。
公式サイト
カスタムブロック対応状況
海外テーマの主流と同じく、カスタムブロックはプラグイン化しています。そして、他のテーマでも使えます。
有料テーマとの組み合わせの時だけ使えるブロックを増やすというのも海外テーマの主流です。
機能的には申し分ないが、デザインがちょっと一般受けし無さそう
まとめ
今どきの有料テーマのブロックエディタ対応状況をまとめました。
ブロックエディタの対応は、テーマの性質にもよると思います、一般サイト向け(LP制作を意識)なのかブログ向けなのかで対応への力の入れ方が違うのかなというのが見えます。
SnowMonkeyとEmanon Pro、Diverが対応ブロックが多くブロックエディタ対応に積極的、他のテーマは消極的という感じでした。
テーマは多機能であればよいというわけではなく、実際使ってみてしっくりくるテーマを選びたいところです。
ブロック数だけ見れば、Snow Monkeyが一番高機能ですが、実際に使ってみると、初期状態だとデザイン的に弱く、Diverの方が好みだったりします。
拡張ブロックは無料/有料プラグインで追加できますので、無理にテーマで対応しないのが海外テーマの主流です。その場合の問題点として、デザインがテーマと合っていないことが多いので、できればテーマ側で対応してもらいたいところです。
しかし、テーマ付随のカスタムブロックはテーマを変更してしまうと使えなくなりますので、テーマ固有のブロックを使って記事を作成してしまうと、あとあとテーマ変更時に困ります。
テーマ付随のカスタムブロックを多用して記事をたくさん書いてしまうとテーマ変更できなくなりますので、本来はカスタムブロックはプラグインを利用する方が良いと思います。
以前はショートコードを使うことでテーマ変更時の修正量を最小限で抑えるというのが主流でした。それと同じようにしたいのであればメンテナンスが将来的に保証されているカスタムブロックのプラグインを導入するのが一番良い気がします。