mixhostはCloudLinuxにcPanelを組み合わせた海外ではよくあるサービスです。cPanelにログインするとリソースの使用状況のサマリが表示されて、使用リミットに近い場合には警告のような表示がでます。
久しぶりにcPanelにログインしたら、メモリ使用量が60%を超えて警告が出ていました。このような数値は見たことが無く、心当たりも無かったので、なんで??と思いました。
この記事は、mixhostのサーバーのメモリ使用量が急激に増加し、原因を色々探っているうちに勝手に収まったという話になります。
mixhost(Colorfullboxも同じ)やcPanelの利用者には参考になるかもしれない内容になっています。
mixhostのメモリ使用量が急激に増加
契約プランのメモリは8GBです。
今回、階段状にメモリ使用量が増加し始めました。いつもなら400MBぐらいのメモリ使用量なのですが、徐々に増えていき、5GBぐらいまでメモリ使用量が増えています。
心当たりと言えば、サイトの表示速度を上げるためにサーバーの負荷を減らすようにチューニングしたタイミングと一致していますが、メモリ使用量が増えるような内容ではなく??という状態です。

メモリ使用量の増え方が不自然なのと、このまま増え続けて張り付くの??という感じで、放置することも出来ず、なんとかせんといかんとなりました。
cPanelのPhysical Memory Usageとは?
cPanelのPhysical Memory Usageは、サイトの純粋なメモリ使用量と高速化のためのディスクキャッシュも含まれたものになります。
つまり、単純なメモリ使用量ではありません。
mixhost公式に以下の記載があります。
Physical Memory Usage
アカウント内のプロセスによるメモリの使用量が表示されます。また、Physical Memory Usageにはメモリ上のディスクキャッシュも含まれます。
ディスクキャッシュを使用した状態でメモリが不足した場合、ディスクキャッシュが開放されエラーが発生することはありません。ディスクキャッシュはwebページの作成や編集、写真のアップロード、webp変換、データベースの処理など様々な事で発生します。メモリに空きがある時に、可能な限りディスクキャッシュとして利用する事は、 サーバーの正常な動作となります。
webサイトを高速に表示するためにも必要な動作となりますため、 webページの表示に問題が無ければ、様子を見てそのままご利用ください。プロセスによるメモリ使用量の上限に達した場合は、自動的にプロセスが停止され、通常は500または503エラーが表示されます。
https://help.mixhost.jp/hc/ja/articles/4409248046105-%E8%B2%A0%E8%8D%B7%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%82%92%E7%A2%BA%E8%AA%8D%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
慢性的にPhysical Memory Usageが不足し、エラーが頻発する場合には、上位プランへのアップグレードをご検討下さい。
mixhost公式によれば、メモリ使用量の数値が高くても、サイトに500エラー、503エラーが出てなければ気にしなくてよい、という内容ですね。
そうなると、次に行うのは、実行プロセスがメモリを消費しているかどうかの確認、次にメモリ使用量がディスクキャッシュ起因なのかどうかを確認する必要があります。
メモリ使用量の内訳を確認する
実行プロセスのメモリ使用量を確認する
SSHなどでログインして、psコマンドで各プロセスのメモリ使用量を確認できます。
ps -aux
調べた結果、実行プロセスは多くても4つで、各プロセスのメモリ消費量も全然小さい値で今回のメモリ使用量とは対応が取れませんでした。
ディスクキャッシュの使用量を確認する
ディスクキャッシュの使用量を確認する方法として、検索すると以下の記述が良く出てきます。
cat /proc/meminfo
この結果もmixhostのコンソールで確認できました。しかし、この結果は、サーバー全体の結果なので意味を持ちません。
CloudLinuxの場合に必要なのはユーザーごとのディスクキャッシュの使用量です。
Cloudlinuxのサイトにはディスクキャッシュを確認する以下の記述がありましたが、mixhostでは確認できません(ファイルが無かった)でした。
mixhostでは、ディスクキャッシュの使用量を確認する方法はありません。
CloudLinuxでユーザーごとのディスクキャッシュの使用量を確認する方法
CloudLinux OS Shared 6の場合:
cat /proc/bc/XXX/meminfo
CloudLinux OSShared7システムとCloudLinuxOSShared 6ハイブリッドシステムの場合:
cat /proc/bc/lveXXX/meminfo
CloudLinux OSShared8およびCloudLinuxOSShared 7ハイブリッドシステムの場合:
cat /sys/fs/cgroup/memory/lveXXX/memory.stat
プラグインなどの影響を疑う
メモリ使用量が増えたタイミングでサイトに行った変更があれば、それが影響している可能性が高いです。また、プラグインやテーマなどの影響なのかを地道に切り分ける必要があります。
さすがに、プラグインなどをひとつづつ停止して確認するのも大変すぎるので、今回はあきらめました。
あきらめた理由は、以下の2つです。
- メモリ使用量の削減がcPanel上でリアルタイムで確認できない。
- ドメイン単位でメモリ使用量がわからないため、どのサイトから手を付けていいのかわからない。
結局よくわからないうちにメモリ使用量が元に戻った

とりあえずやれることをやろうと思って、LiteSpeed CacheのキャッシュクリアをcPanelのコンパネから行いました。正直やれることがそれぐらいしかなかった。
しばらくして様子を見ていたら、時間とともにメモリ使用量が激減していきました。
明らかに不自然な増え方と減り方なので、ディスクキャッシュだったのかな?と思います。
まとめ
mixhostのPhysical Memory Usageが急激に増えたのが、ディスクキャッシュ起因であれば、放置しておけば元に戻るということだと思いました。
- メモリ使用量が増えても500エラー、503エラーが出なければひとまず様子を見る(ディスクキャッシュであればエラーにはならない)
- psコマンドでプロセスのメモリ使用量を確認して、使用量が大きくなければディスクキャッシュの可能性が高い
- メモリ使用量の増え方が規則的かどうかも確認する
今回と同じようにcPanelでメモリ使用量が増えた問題は検索すると沢山出てきます(海外ですが)。
その後、音信不通になってフェードアウトしていくのでcPanelによくある現象なのかなと思います。